
オープンソースで無料でも使うことが出来る BI ツール、 Metabase を紹介します。
Metabase とは
Metabase は、「みんなのためのビジネス・インテリジェンス(BI)」というスローガンのもとに、データベースを操作するためのプログラミング言語(SQL)が使えない人でも利用できるBIを目指して開発された、オープンソースのソフトウェアです。
サイトを見て頂ければ、ダッシュボードのイメージが分かると思います。このようなダッシュボードが、SQLを知らなくても作れます。
EXCELに似た簡易スクリプトもサポートしているので、データ分析を手軽に開始することが出来ます。
何よりもWebアプリケーションなので、作成したダッシュボードは、簡単に共有出来ます。
データが更新されれば、ダッシュボードにもすぐに反映出来ます。
Metabase で作れるチャートの種類
BIツールですから、様々なチャートを作成出来ます。 Metabase では、下図のチャートを作成出来ます。

Metabase で使えるチャートの説明(英文)は、以下のリンクにあります。
https://www.metabase.com/docs/latest/questions/sharing/visualizing-results.html
権限管理
Metabase ではグループ管理が出来ます。ユーザがどのグループに属しているかを制御します。

また、接続したデータベース、テーブル、作成した分析結果、ダッシュボードについて、グループ毎のアクセス権限を設定できます。

部門別のダッシュボードや、グループ毎の分析結果の共有、全社への共有ということが細かく制御出来ます。
更に、Metabase では、分析結果の公開リンクを作成することも可能です。お客様や社外の方への公開資料を作成することも可能になります。
アラート機能
Metabase に、Eメールの設定、または Slack との連携の設定をすることで、アラート機能を利用することも出来ます。
時系列のデータが一定の値以上に達した時、普段発生しない異常値を検出した時、などに、EメールやSlackメッセージを送信することが可能です。
(英語のリンクになります)
https://www.metabase.com/docs/latest/questions/sharing/alerts.html
接続可能なデータベース

Metabase が対象と出来るデータベースには、以下に一覧があります:
(英語のリンクになります)
https://www.metabase.com/datasources/
一般的に業務システムで利用するデータベースとして使われているものは、含まれているのではないでしょうか。
Metabase には、サンプルデータベースも含まれていますので、ダッシュボードづくりを体験してみるだけならば、分析対象のデータベースが無くても利用出来ます。
Metabase のオフィシャル紹介ビデオ
英語にはなりますが、オフィシャルな紹介ビデオがあります。
この紹介記事も、紹介ビデオの内容を踏襲しつつの紹介になりますので、「英語でいいから動画でみたい!」という方はこちらをどうぞ。
https://www.metabase.com/demo/
Metabase は、「起動までに数分!」と謳っています。
実際、とても簡単に動かすことが出来ますが、多少は技術的な事を知らないと、戸惑うところもあるかもしれません。
この記事では、出来るだけ詳しく、Metabase を動かすのに必要なJavaのインストール方法から説明します。
勿論、弊社へお問合せ頂ければ、直接ご説明のお時間を作りますので、お気軽にお問合せ下さい。
Metabase を起動する
それでは Metabase を起動するまでをご紹介します。
必要なもの
Metabase を試すのに必要なものは以下の2つです。
- Java 11 以上
- Metabase 最新のもの
どちらも無料でダウンロードできて、自分のPC上で動かすことが出来ます。
Java
まず、既に Java がインストールしてあるかどうかを確認します。コマンドプロンプトを開き:

開いた画面上で、
java -version
と打ち込みます。

上記のように、Javaのバージョンが表示されて、11 以上であれば、問題ありません。
もし、
‘java’ は、内部コマンドまたは外部コマンド、
操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。
というエラーが出る場合、または、version が 11 以上である旨のメッセージが返ってきた場合、Javaのダウンロードが必要になります。
【注意】
Java のバージョンが古い場合に、作業しているコンピュータ上で、 Java を利用したプログラムが現在動いているのであれば、新しいJavaのインストールをすると、現在利用中のプログラムが動かなくなる可能性があります。
古いバージョンのJavaがある場合には、現在使われているかどうかを必ず確認してください。
Java のダウンロードとインストール
Javaは現在、Oracle のサイト内からダウンロードできますが、無料で利用できるのは「OpenJDK」というものになります:
現時点(2022年8月17日時点)では以下からダウンロード可能です:
また、Microsoftも独自にビルドしたものがあるようです。日本語の説明もあるので、最新バージョンではありませんが、Metabase を動かすには問題はないと思います。:
https://docs.microsoft.com/ja-jp/java/openjdk/download
この記事では、インストーラではなく、zip ファイルをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを、適切な場所で解凍します。ここでは、C:\java\ の下に解凍をしました:

Javaは、コンピュータの中に配置するだけで利用は出来ますが、手間を減らすために、環境変数を設定しておきます。



環境変数の設定画面で、PATH への追加と、新しい項目 JAVA_HOME の設定をします。
ここで、既に JAVA_HOME の指定がある場合、また、Path に jdk の設定がある場合は、何のために設定されていたのかを確かめた方が無難です。

- JAVA_HOME には、今から利用する Java のフォルダへのパスを指定します。
- Path には、その Java フォルダの中にある、 bin フォルダまでのパスを指定します。
両方とも設定できたら、システムの詳細設定画面は全て閉じます。
再びコマンドプロンプトを開いて、
java -version
と入力し、バージョン情報が想定通りであることを確認します。
Metabase のダウンロードと準備
次に Metabase をダウンロードします。
https://www.metabase.com/start/oss/
Dockerと Jar と2つを選べますが、ここでは Jar を使ったやり方になります。
Dockerの扱いに慣れている方は、Docker の方が速いです。

ダウンロードすると metabase.jar というファイルが保存されます。

ダウンロードした metabase.jar を、分かりやすいところへ移動します。この記事では C:\Users\minami\programs\metabase\ の下に置きました:

Metabase の実行
後は、Java を使って Metabase を実行するだけです。
コマンドプロンプトを開き、metabase.jar を配置した場所へ移動します。
cd c:\Users\minami\programs\metabase

Metabase を実行します。実行コマンドは
java -jar metabase.jar
となります。

実行を開始すると、ログの表示が始まりますが、途中でアクセス許可を求める画面が出るかもしれません。

「アクセスを許可する」をクリックして、 Java プログラムが通信を行えるようにします。
その後も実行ログがたくさん表示されますが、最後にはこのような画面で止まります。

止まったらブラウザを開いて、 http://localhost:3000 へアクセスします。

次回は実際に metabase を使ってダッシュボードを作っていきます。
次回はダッシュボードを作ってみます。Metabase には、サンプルデータベースがついていますので、すぐに使えるデータベースが手元に無い方でも、利用を開始することが可能です。
是非、実際に動かしてみてください。